ひらめきの十二星座シリーズ~⑫蠍座~
ひらめきの十二星座シリーズ・其の⑫『蠍座』
ギリシャ神話における蠍座は、ポセイドンの血を引く自信過剰なオリオンに大地の女神ガイアが遣わせたとされている。
無敵の狩人はそのサソリの一刺しにより、毒に侵されながら絶命した。
蠍座が天に昇る時、オリオン座は地平線の下に隠れることでそのサソリに永遠に出会わないようにしている…
そんな一撃必殺の毒を持つサソリ。
それを表現するポイントはやはり、弧を描くように反る尻尾。
シボの入った深い赤をチョイスし、尾のカーブとバランスをイメージしながら切り出す。
赤が少し硬めなので、裏は柔らかめのベージュで互いの軟度を補完する。
先ずは爪を少し反らせながら形成し、脚も上向きに。
そしてメインの尻尾を少しずつ貼り合わせながら反らせていく。
イメージする角度と高さを何度も確認しながら徐々に形づくる。
最後は捻りを加えながら針の向きを整え、フィニッシュ…
一点に注がれる絶大なるエネルギーを秘めているが、決してそれをひけらかしたりはしない。
控えめなる内側に湧き上がる感情は、何故か神秘的でもあり、どこか官能的でもある…
そんなことを感じた、第十二弾は「蠍座」でした。